2024年5月1日
2024.04.30に配信された東日本旅客鉄道株式会社さんのプレスリリースを紹介します。
JR東日本グループは、「究極の安全」を追求した安全レベルの向上やモビリティ・生活ソリューションの2つの軸におけるビジネスの強みの磨き上げにより、中長期でキャッシュフローを最大化するべく、「変革のスピードアップ」に資する設備投資に取り組みます。2024年度を「新しい未来とネットワークを拓く年」と位置付け、よりよい社会をつくるため、以下の方針により設備投資を計画しています。
●安全のモードをさらに高めるべく、安全・安定輸送のレベルアップに資する投資を着実に進めます。
●すべての人の心豊かな生活を実現するため、鉄道と融合したまちづくりや、輸送サービスの拡充など、収益力を向上させるプロジェクトへ積極的に投資します。
●「脱炭素社会」の実現など社会的課題の解決、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーへの貢献、最新技術を活用した業務変革など、中長期的な企業価値向上につながる投資を実施します。
下記の設備投資案件を着実に推進するにあたり、さらなる「融合と連携」により投資効果を最大限に発揮していきます。
1.主な設備投資の内容 ※既に使用開始の内容を一部含みます。 ○(ピンク) モビリティと生活ソリューションの融合プロジェクト
■安全・安定輸送のレベルアップ
●大規模地震対策のほか、踏切事故対策や運転保安装置整備拡大などの安全対策を着実に進めます。
●ホームドアを、京浜東北線鶯谷駅、常磐緩行線松戸駅、中央・総武緩行線新小岩駅、南武線武蔵溝ノ口駅などに整備し、駅ホームの安全性を向上させます。
●事業用車両の増備、変電所、電車線設備等の鉄道設備更新を計画的に実施し、安全性向上とより効率的なオペレーションを実現します。
■輸送サービスの拡充
●中央快速線等へのグリーン車の車両新造と関連する地上工事を進めます。
●東京駅や宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港へのダイレクトアクセスを実現する、羽田空港アクセス線(仮称)の工事を進めます。休止貨物線など既存資産を有効活用し、田町駅付近で上野東京ラインと直通させることで、東京圏鉄道ネットワークを更に充実させます。
●東北新幹線福島駅において、山形新幹線(上り)から東北新幹線(上り)に、立体交差で接続するアプローチ線の増設工事を進めます。山形新幹線と東北新幹線が平面交差する現在の状況を解消し、輸送の安定性をさらに高めます。
●東北新幹線(盛岡・新青森間)のスピードアップに向けた工事を引き続き進め、より便利で快適な新幹線輸送サービスの提供を目指します。
■先進的かつ魅力的なまちづくり
○‶Global Gateway”を開発コンセプトに掲げ、TAKANAWA GATEWAY CITYのまちづくりを推進します。「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ、新たな文化・ビジネスが生まれ続ける街を目指します。THE LINKPILLAR 1および高輪ゲートウェイ駅周辺エリアを2024年度末(2025年3月下旬)に開業します。
○大井町駅周辺広町地区開発(仮称)において、大井町エリア全体の賑わいと回遊性の向上につなげるとともに、災害に強く環境に配慮したまちづくりを進めます。また、大井町駅では開発エリアに直結する改札口の新設工事等を進めます。
●新宿駅西南口地区開発において、にぎわい施設等と一体となった屋内外の滞留・回遊空間や観光コンテンツ創出、観光情報発信・体験機能および宿泊機能の導入による観光拠点の整備、災害時の防災対応力強化、新たな省エネ技術の積極的な導入による環境負荷の低減等に取り組むことで、新宿エリア全体の活性化に寄与します。
●渋谷駅などの駅改良、バリアフリー設備の整備を引き続き進めていくことで、すべてのお客さまにとって魅力ある使いやすい駅を目指します。
○秋葉原駅および新宿駅に「Beyond Stations 構想※」の一環として「イマーシブなメディア空間」を整備しました。大規模なサイネージとリアルな駅空間を一体として活用し、新たな発見・体験・交流の場を創出します。
※「Beyond Stations 構想」・・・生活における「豊かさ」を起点として駅のあり方を変革し、「交通の拠点」という役割を超えて駅を“つながる”「暮らしのプラットフォーム」へと転換する構想
■地域と連携した持続的なまちづくり
○新潟駅の高架化によって生み出された高架下空間に商業施設の開発を進め、CoCoLo新潟が4月25日に全体開業しました。
○青森駅および駅周辺の魅力あるまちづくりの実現に向けた取組みとして、旧青森駅東口駅舎跡地を活用したJR青森駅東口ビル(商業施設 &LOVINA)が4月26日に開業しました。
■シームレス・ストレスフリーな移動の実現
○地域・観光型MaaSプラットフォームTabi-CONNECTの機能強化とMaaSのご利用エリアの拡大を図るほか、JR東日本アプリの開発を継続し、シームレス・ストレスフリーな移動の実現を目指します。
■Suicaを軸とした「きっぷ」のチケットレス化
●Suicaをお持ちでないお客さまにも駅の券売機や窓口を経由せずにご乗車いただけるよう、チケットレス化の新しい手段として、QRコード※を利用した乗車サービスを2024年度下期より順次開始します。また、2025年春以降、長野エリアを対象にSuicaをご利用いただける駅を拡大します。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
■ICT等を活用したスマートメンテナンスの実現
●新幹線線路設備モニタリング車導入などにより、一層効率的なメンテナンス体制構築を進めます。
■「脱炭素」社会への貢献
●環境優位性のさらなる向上とサステナブルな社会の実現に向け、CO2排出量削減につながる設備投資を促進します。エコステ※の整備、照明設備のLED化などを進めます。
※「エコステ」・・・省エネルギー、再生可能エネルギーなど、様々な環境保全技術を駅に導入する取組み
●サステナブルな社会の実現、地域や社会に貢献するために、川崎発電所における水素混焼発電の実現に取り組みます。
■社員の活躍フィールドの拡大
●柔軟な働き方に沿った魅力ある職場づくりを進め、社員一人ひとりが「主役」となり新たな価値創造の実現に取り組みます。
■健康経営の推進
●地域のみなさまにより質の高い医療サービスを提供すべく、JR東京総合病院の建替工事を進め、4月8日に人間ドックセンターおよびJR東京総合病院高等看護学園が入る新棟「e 棟」を先行開業しました。建替中の新病棟は2025年春に開業予定です。
2.設備投資額
2024年度 連結設備投資額
※端数処理により合計が合わない。
※掲載の図は、現時点でのイメージを含みます。